けりかの草子

ヨーロッパ在住歴24年、現在英国在住のバツイチ中年女がしたためる、語学、社会問題、子育て、自己発見、飲み食いレポートなど、よろずテーマの書きなぐり。

娘の小学校入学①

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9月の第2火曜日、娘がついに小学校に入学した。小学校といっても、イングランドの教育制度では正式な義務養育は5歳からで、4歳の娘が入学したのは小学校のReception Yearと呼ばれる準備学年のようなものである。イングランドの公立小学校(Primary School)は、4歳から6歳までのInfant School (小学校幼稚部とでも訳すべきか?)と7歳から10歳までのJunior Schoolに分かれている。これが公立の初等教育で、Junior Schoolを卒業すると日本の中学校にあたるSecondary Schoolに進み16歳まで学ぶ。Secondary School終了前の学期末には、GCSC(General Certificate of Secondary Education/一般中等教育終了証)という全国統一テストを受け、一定の基準に達していれば大学進学のための勉強をするSixth Formという2年間の課程に進むことができる。義務教育はこのGCSC受験までだ。私立教育だとシステムが若干異なるのだが、GCSCを受けるのは同じ時期である。これがスコットランドだとさらに異なるからややこしい。

 

我が家の周辺には評判の高い名門私立学校が数多くあるのだが、現在の私たちには娘をReception Yearから私立学校に通わせる財力はない。そこで近所の公立小学校に入学させることにしていた。イングランドの公立教育の場合、自分の住んでいる家が所属する地方行政区画の管轄下にある公立学校を希望する順に6校ぐらいまでリストアップし、カウンシル(「地方行政区議会」などと訳されることもあるが、日本の区役所のようなもの)に入学申請する。だいたいどの学校も1クラス30人制で、クラス数も2つ程度。当然のことながら、人気の高い学校は競争率が高くなる。だが、入学試験があるわけではなく、選考基準は住んでいる家と学校間の距離や、兄弟姉妹が同じ学校に通っているかなどだそうだ。我が家が所属する地方行政区はロイヤル・バラ・オブ・ウィンザー・アンド・メイデンヘッドなのだが、隣の行政区ブラックネル・フォレストとの境界線の近くにある。第1志望だった小学校はブラックネル・フォレストの管轄下にあるのだが、我が家はこの学校のCatchment(キャッチメント/学区)内にあるということで、志望校リストに載せて入学申請することができた。

 

この学校は、英国の教育水準局Ofsted(Office for Standard in Education)から学校監査の最高評価点にあたる「Outstanding」(日本語で言えば「優」)を受けており、近所の人たちも絶賛している人気校である。だから、学区内にあってもブラックネル・フォレスト行政区の管轄外にある我が家は優先されないのではないかと気をもんでいたが、4歳児でも徒歩で通学できる距離である(しかも志望校のうち我が家から徒歩通学が可能なのはここだけ)という点が決め手となったようだ。娘は晴れて、(親の)希望通りこの学校に入学することになった。

 

だが入学といっても、日本の学校のように入学式といった儀式的なものはない。さらに娘の学校の場合、他の多くの学校が9月の第1月曜日からスタートしているというのに初登校日は第2火曜日で、しかもその週は半日授業という「ソフトオープニング」のようなノリであった。子供たちを徐々に学校生活に慣れさせるための配慮なのだろう。そしてその週は、木曜日と金曜日だけ学校で給食を食べることになっていた。保育園に通っていた娘は他の子供たちと一緒にお昼ご飯やおやつを食べることに慣れているが、保育園経験のない子たちが集団でご飯を食べることにかなりのストレスを感じるというケースが結構あるらしい。学校生活の最初の週は2日だけ学校で給食というのも、子供たちのストレスを軽減するためなのだろう。「過保護なのでは?」と一瞬疑問を抱いてしまった私だが、すぐさま自分のスパルタ母的一面にハッと驚き、自制した。

 

自分たちの都合の良い時間に連れて行って、これまた都合の良い時間に迎えに行けばよかった(もちろん開園時間の枠内での話だが)保育園とは違い、小学校は授業時間が決まっている。だからそれに合わせて送り迎えしなければならない。娘の学校では、朝8時55分までに子供たちを教室に送り届けなければならない。そこで、徒歩で通学させることを公約していた私は、娘の足で自宅からどの程度の時間がかかるかを把握するため、小学校「入学」の前日に娘と登校のリハーサルをした。通学路には、アヒルが数羽住んでいる池や野花が咲いている空き地などの「誘惑物」がいくつかある。夫と私だけなら徒歩で20分弱程度の距離だが、娘のスピードと誘惑物の存在を考慮するとその倍はかかる可能性もある。リハーサルの道中、娘は池の前に来るとアヒルに挨拶するために立ち止まったり、野花を見つけるとしゃがみ込んで摘み取ったり、歩道に落ちているドングリを拾ったりしていたが、それでも25分で学校にたどり着くことができた。この測定値を夫に報告し、2人で話し合った結果、登校のために家を出発するのは少し余裕を取って8時20分という結論に達した。

 

そしてついに初登校の日。それまでは8時過ぎに起床していた私たちは、夫と私のiPhoneiPad計4台の目覚まし機能で7時に起床した。その日私は、娘を学校に送り届けた後とんぼ返りで帰宅し、9時30分からのズンバ教室に(車で)行く予定であった。これまで9時30分の朝一ズンバ教室に行くときはノーメイクが定番だった私だが、その日は娘の入学日ということで、少し気合いを入れてファンデとマスカラと色付きリップクリームを塗った。それでも入学式のような改まったものはないため、ひざ下丈のフィットネスレギンスとパーカーにトレーニングシューズという姿であった。某ママ系ファッション雑誌が推奨している「アスレジャーファッション」(「アスレジャー」というのはこれまたこの雑誌が創り出したカタカナ語かと思っていたが、これはアメリカで生まれたれっきとした英語の造語らしい:https://en.wikipedia.org/wiki/Athleisure)とでも言いたいところだが、ディスカウントショップで買い集めたチグハグのフィットネスウェアを纏った私は、まったく「絵」になっていなかったに違いない。

 

娘は小学校に入学する数週間前から、「私は恥ずかしがり屋だけど、でもすっごくワクワクしてる!」(英語での発言である)と学校に行くのを楽しみにしていた。そして我が家にお客さんが来るたびに、嬉しそうに制服を見せたり、制服ファッションショーをやったりして盛り上がっていた。2歳ぐらいの頃から夜8時前に寝つくことはほとんどないこの子を、初当校の前夜は普段よりできるだけ早めにベッドに入れなければと私は躍起になっていた。7時過ぎに入浴させて7時45分にはベッドに寝かせたのだが、興奮していた娘はなかなか寝つかず、普段より少し遅い時間になってやっと寝ついた。寝る時間が遅いので当然のこともかもしれないが、娘は元来早起きタイプではない。恐れていたとおり、初登校の朝も娘はなかなかベットから出たがらなかった。

 

続く

水の質⑤(注:他のメディアに限定公開していた記事に手を加えたもの)

2017年2月22日水曜日。
ついに、待ちに待った軟水器が我が家にやってくる日が来た!

 

夫はこの日ロンドンで打ち合わせがあったので、娘を保育園へ送り届けたあとすぐにロンドンへ行ってしまった。1人になった私は家で仕事をしながら配管工の到着を待った。すると11時少し前に配管工から電話があり、到着は12時ごろになるけれどOKですかと確認された。

 

設置工事は1時間ぐらいで完了すると思っていたので、ランチは配管工が帰ってからにしようと決め、仕事を続けた。前夜の晩御飯の残り物(和風ミンチパイ)を温めなおして食べる予定だったので、軟水の料理への影響は晩御飯のときに検証することになる。だが、配管工には作業中に労いのお茶を出すべきだろうか。この人物は硬水で淹れたコクのある紅茶を好むのだろうか、それとも、自分が勤務するメーカーの軟水器を使っていて、軟水で淹れた紅茶に慣れているのだろうか。それによって、お茶を出すタイミングが変わってくる。

 

そんな思いを巡らせているうちに時間が経ち、ドアベルが鳴った。時計を見ると12時ぴったりであった。やって来た配管工は、30代手前とおぼしきやんちゃ顔の男性だった。イケメンではない。男女平等社会を謳う21世紀では、「XYは男性の職業、XXは女性の職業」といった固定概念にとらわれてはいけない。だから、「配管工は…男性だった」というように、やって来た職人の性別を明記するべきであろう。だが、個人的には女性の配管工や土方に出会ったことはまだない。

 

配管工はまず、我が家の水道の元栓の位置を確認した。私はこういうことは普段夫に任せているので、元栓がどこにあるのか把握していなかった。一般的にはキッチンの流し台の下なので、そこを見せたが違うと言われた。色々心をあたりを見せたところ、正解は玄関ドアのすぐに隣にあるトイレの中だった。我が家にはトイレが3箇所ある。この玄関の隣のものと、日本式2階の階段を上がった向かいにあるファミリーバスルーム、そして夫婦の寝室(といっても娘に占領されがち)であるマスターベッドルーム内のシャワールーム。水道の元栓がキッチンの流し台の下にあったのなら、飲料水を硬水のままにするために軟水器を通さない蛇口を設置することができるそうだが、我が家の元栓はトイレ内にあるのでそれはできないと言われた。夫も私も硬水の飲料水にはこだわらないので、問題はないと答えると、軟水器を設置する位置を教えてくれた。トイレの中はスペースがないので、壁を挟んだ外側、玄関ポーチの一角である。ここは玄関屋根の下で、今までプランターに植えた花(ロベリア)を飾っていた場所だ。花はすっかり枯れてしまっているからプランターを除去しても差し障りはない。

 

軟水器設置工事が始まった。1時間ぐらいで終わるとタカをくくっていたが、なかなか終わりそうにない。1時過ぎにお茶とお菓子をすすめたが、結構ですと断られた。そこで私はダイニングルームでランチを食べることにした。着工から約2時間後、ついに軟水器の設置工事が完了した。玄関ポーチの一角に設置された軟水器は、木製の保護ケースの中に収納されている。配管工が使い方を教えてくれたが、実に簡単だ。さあ、これでケラスターゼの美髪をなびかせる日々が始まる!素敵だ素敵だ!

 

あいにく、この日の晩御飯には肉の煮込みを予定していなかったし、お米はまだ数日前に炊き出して冷凍してあるものが残っていたので、軟水の料理への影響は検証できなかった。お茶は夜なのでカフェインのないハーブティーとローイボスティー。こちらも、軟水器が稼働する前にブリタに通しておいた水で淹れたので、違いはわからない。だが、手を洗ったあとの肌のコンディションは確かに違った。軟水を全身で最初に体験したのは娘であった。夫と私は朝にシャワーを浴びるが、シャワー嫌いの娘は夜にお風呂に入る。この日は娘のシャンプーの日だったので、普段使っている子供用のシャンプーで髪を洗ってやった。娘は生まれたときは直毛であったが、2歳になる少し前からクルンクルンの巻き毛に髪質が変化した。だから非常にもつれやすい。シャンプーのあとにタオルで髪を乾かすと、ヘアブラシがなかなか通らないほどもつれる。セラムを塗ってやってもスムーズに通らない。娘の髪をブラシでとかすときはいつも、イタイイタイ〜ッ!(英語で言うのでOuch!Ouch!)と泣き叫ぶので、まるで虐待しているかのようだ。ところがこの夜、軟水でシャンプーした娘の髪は、タオルで乾かしたあともしっとりしていて、ブラシの通りが良かった。そしてヘアドライヤーで乾かしたあとの髪は、ツヤツヤと輝いている。これはすごい!

 

そして翌朝。普段の娘の寝起き直後の髪は、まるで巨大な鳥の巣。クルンクルンの巻き毛がまるで爆発現場にいたかのように、縮れまくりもつれまくって大変なことになっている。これをブラシでとかすために、逃げ回る娘を追いかけ回すのが朝の恒例行事であった。軟水でシャンプーした翌朝の娘の髪はやはり鳥の巣状態であったが、それでもいつもよりボリュームがかなり少なかった。ブラシを手にした私を見ると娘は一目散に逃げ出したが、夫とのチームプレーで捕獲し、髪をとかした。すると、普段より驚くほどブラシの通りが良かった。いつもより痛くなかったので、娘も驚いたようだ。

 

そしてついに私のシャワータイム。ワクワクしながらいつも使っているシャンプーで髪を洗った。これは、「ヘアケア専門家おすすめ」という触れ込みの商品だが、ごく普通のスーパーで買えるお手頃価格のもの。お揃いのコンディショナーも使っている。普段なら、このあとにロレアルの縮れ毛解消用のヘアセラムをたっぷり塗り込む。ときにはさらにアルガンオイルを頭皮にもみ込んだり、Lushの毛先専用ヘアバームShine So Bright(日本市場では「ハッピーエンド」)をプラスしたりする。だが、この日はコンディショナーまでにした。

 

濡れたままの髪の手触りがすでに違う。タオルで乾かしたあと、そのままブラシをかけると驚くほどすっと通る。これはケラスターゼの洗い上がり!と、期待でテンションがどんどん上がってくる。ドライヤーに向かうまえに第一段階の結果を夫に報告すると、彼もかなり興味を示した。

 

そしてドライヤー。普段からブロースタイリングなどと手の込んだことはしない私だが、今までは前髪の付け根付近の縮れが気になるので必ずヘアアイロンで伸ばしていた。軟水で洗った髪は、ドライヤーの風にしなやかになびいていた。適度のコシがあり、絶妙な重さを感じる。そして乾いていくごとに髪がツヤツヤと輝き出す。これは、まさにケラスターゼの仕上がり!あゝ、あの夢にまで見た質感!乾き上がった髪は、ツルツルで指がすっと通る。パサパサ感が一切なく、例の前髪の付け根も気になるほど縮れていない。適度なウェーブでいい感じだ。見た目も手触りもなんともシルキー!今まで、ヘアセラムやバームを使っても、ここまで満足のいく仕上がりは達成できなかった。感動で涙が出そうになった。本文内にFBのスタンプを挿入できないのが残念だが、この瞬間の私は、バラの花に囲まれてウルウルとデカ目を輝かせるブルーキャットであった!

 

感動と狂喜で興奮を抑えられない私は夫のもとに走り、彼に髪を触らせた。すると夫も、おおおおお〜〜っ!と感心した。素晴らしい!普段なら、すぐにひっつめ髪にする私だが、この日はシルキーな質感と絶妙なさじ加減でウェーブしている美髪を満喫することにした。この手触りには快感を覚えてしまう。側から見ると苛立たしい仕草かもしれないが、髪に指を通して香りをかぐのがやめられない。軟水器が収納されている木製の保護ケースは、今後我が家の神棚になりそうだ。

 

こうしてツヤツヤと輝く美髪を誇らし気になびかせ、ルンルンの幸せ気分で娘のバレエレッスンに向かう私であった。(ちなみに、普段ならボサボサの娘の巻き毛も、いつもよりまとまりがあり、輝いていた。)

 

 

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*写真No1: 硬水で洗った髪。ボサボサ、パサパサ…だから不機嫌。

写真No2: 軟水で洗った美髪。写真では分かりにくいかもしれないが、シルキーにツヤとコシで絶妙なゆるウェーブが自然に出ている。これはドライヤーで簡単に乾かしただけで、スタイリングなど手の込んだことは一切していない。ケラスターゼを使わずにケラスターゼと同じ至福の仕上がり!💖

注: どちらの写真にも特殊効果はかけていない。

水の質④(注:他のメディアに限定公開していた記事に手を加えたもの)

今度は硬水と軟水それぞれのメリットとデメリットを調べてみた。軟水器メーカーの訪問販売員たちに教わったことに加え、以下のような情報を得た。

<硬水のメリット>
1. 便秘解消効果
これは硬水に多く含まれるマグネシウムの作用だそうだ。個人的に心当たりはないと思っていたが、その実よく考えてみると、日本に帰るたびに普段よりお通じが悪くなっていた。これは、日本では白米を食べる回数が増えるからだろうかと思っていたが、おかずは食物繊維が豊富なものが多いからバランスが取れているのではないか。ではやはり、マグネシウム含有量が低い軟水が原因なのだろうか。

2.動脈硬化の予防
これまたマグネシウムとカルシウムのおかげだそうだ。

3.ダイエットに効果がある
硬水内のミネラルが代謝を良くし、便秘を防ぐ作用があるからだそうだが、私個人のケースでは、大きな?マークがつき、眉間にしわが寄る。究極の硬水地域であるアスコットに住むようになってから、食事に気を付け、ちゃんと定期的な運動もしているというのに、メタボはまったく解消されない。「効果テキメン」というダイエット法を試しても、大した成果が出たことはない。あくまでも私個人の例だが(お酒の飲みすぎ?)……

4.洋風の煮込みに適している、紅茶が美味しくなる
ミネラル成分が多く含まれる硬水だと旨味成分のグルタミン酸イノシン酸が溶け出しにくく、マグネシウムやカルシウムがアミノ酸と結合してあくとなるのだそうだ。硬い肉を柔らかくする効果もあるらしい。(参考:http://water-delivery.net/06/0019.html

そして硬水でお米を炊くと、カルシウムが食物繊維を硬化して硬めに炊き上がるということだが、これは私も毎日のように体験している。日本メーカーの炊飯器を使っているが、水の量を多めにしないと必ず硬いごはんになる。そして日本で食べるお米はとてもふっくらしていて、本当に美味しいといつも感動する。やはり硬水と軟水の違いなのか。

紅茶の場合、硬水で淹れるとミネラル成分が渋み成分であるタンニンの抽出を抑制し、味と香りが弱まってコクが深まるそうだ。確かに、日本で紅茶を入れると薄い割には渋いと感じることもあった。だが緑茶は軟水で淹れる方が美味しいらしい。ただ、スコットも私もこの点はそれほど気にしないのでかまわない。

(参考:http://tea-for-life.net/knowledge/suidou.htm

<硬水のデメリット>
私たちがここアスコットで日々悩まされている皮膚や髪の乾燥、ライムスケールや石鹼アカとの闘いのほかにも、結石のリスクが高まるという健康上のデメリットがあげられる。特に腎臓の弱い人は、硬水に含まれるカルシウムをろ過しきれなくなって結石ができやすくなってしまうそうだ。

一方、軟水のメリットは、1.肌や髪にやさしい、2.泡立ちがよい、3.水を使う家電の寿命がのびる、4.浴室やキッチンの掃除が楽になる、など、美容と家計に嬉しいものばかりだ。さらに軟水は無味無臭であるため、素材を活かした繊細な味付けの日本料理に適しているという。軟水器が設置されたら、日々の食事に和風のメニューを増やしてみよう。また、軟水のミネラルバランスは人体のそれに近いため、赤ちゃんや小さな子供にも安心して与えることができるとのこと。有沙には赤ちゃんのときから水道水の湯冷ましや、ポット型浄水器ブリタに通した水を与えてきたが、たくましく育っているから大丈夫だろう。

軟水のデメリットとしては、ミネラル補給ができないので、便秘やむくみの解消、筋肉のけいれんや足がつるのを予防できないという点があげられているが、それはミネラルウォ-ターやサプリで補給すればいいだけのことではないか。

私はやはり、ケラスターゼの髪を一日も早く取り戻したい!22日水曜日の軟水器設置工事が待ち遠しくて仕方がなかった。

続く

水の質③(注:他のメディアに限定公開していた記事に手を加えたもの)

というわけで、軟水器3ヵ月間無料トライアル開始日は2月22日水曜日に決まった。

このメーカーはえらくご丁寧な会社で、女性販売員の訪問の翌日にコンファメーションのSMSメッセージが送られてきた。それだけにとどまらず、20日の月曜日には、我が家に設置工事に来ることになっている配管工の名前と連絡先が書かれたコンファメーションレターが郵送されてきた。

軟水器の設置を心待ちにしていたのは私だけではなかった。2年ほど前から、おそらくストレスが原因のアトピー症状が胸部に出るようになり、ひどいときには首まで真っ赤っかになって強烈なかゆみに悩まされていた夫は、軟水でシャワーを浴びれば症状が緩和されるかもと期待している。実際、日本滞在中は赤みもかゆみもほとんど出なかった。

軟水器が我が家にやって来るまでの期間、マニアックな一面を持つ私は、硬水と軟水についていろいろ調べ始めた。

そもそも、水の硬度というものは、1Lあたりのカルシウムやマグネシウムの含有量で決まり、カルシウム由来の硬度分とマグネシウム由来の硬度分の総和である全硬度の値によって定義される。世界保健機構(WHO)の基準では、全硬度が120mg/L未満を軟水とし、それ以上が硬水とされている。より細かいことを言うと、全硬度60mg/L未満が完全な軟水で、60mg/L~120mg/L未満は中程度の硬水、120mg/L~180mg/L未満が硬水、そして180mg/Lは非常な硬水ということらしい。

英国は60%の地域が硬水だそうだ。英国の各水道水サプライヤーのウェブサイトでは、自分たちの地域の全硬度をチェックするサービスが用意されている。そこで私は我が家のある地域のサプライヤー、Affinity Waterのサイトで調べてみることにした。チェックサービスのページにある検索エンジンに我が家の郵便番号を入力すると、1Lあたりのカルシウム含有量と全硬度が表示された。我が家の水道水の全硬度はなんと、283mg/L‼ こ、これは、究極の硬水ではないか!

では、実家のある大阪府和泉市の水道水はどうだろうか。私がまだ実家にいたころは、和泉市といえば「大阪泉南のガラが悪い片田舎!」というイメージが強かったが、泉北高速鉄道の終点が光明池から和泉中央にのび、大規模ショッピングモールのららぽーと和泉もできて住宅開発が急激に進み、今では大阪府で2番目に人気のある市(1位は箕面市)だそうだ。和泉市を去って23年近くになる浦島太郎状態の私にとって、これはびっくり仰天のニュースだった。

ただ、和泉市の水道水といっても、地域によってその水源が異なる。おそらく私の実家の水道水の水源は、光明池にある和田浄水場であろう。小学生のときにこの浄水場へ社会見学に行ったことがあったと思う。そこで和泉市役所のホームページに掲載されている水道水の水質検査結果で、和田浄水場の資料(平成29年1月のデータ)をチェックしてみた。「全硬度」という項目は見当たらなかったが、「カルシム、マグネシウム等」という項目があった。水道水質基準では全硬度は300mg/L以下でなければならないと定められている。このカルシム、マグネシウム等の「基準値」欄を見ると「300以下」と記載されているから、これを全硬度の項目とみなしていいだろう。ここに示されている数値は66mg/Lであった。アスコットの我が家の水道水と比べると、バリバリの軟水だ。

では、民泊先だった東京都大田区はどうか。東京都水道局のホームページで大田区の水道水質検査結果を見てみることにした。大田区内でも地域によって水源が違う。私たちの民泊先は大森東にあったので、大森本町のデータをチェックした。項目は和泉市の検査結果とほぼ同じように分類されていた。おそらく日本で統一されているものなのだろう。ホームページで閲覧できる最新データは平成28年3月のもので、これによると大森本町の水道水の全硬度は平均81.5mg/Lということだった。これは大阪の実家の水道水よりも高い硬度だが、それでも英国の我が家の水道水にくらべると断然軟らかい。

夫の故郷であるスコットランドの水道水は、素晴らしい軟水であることで名高い。そこで、夫が生まれ育ったインバネスの全硬度をチェックしてみた。Scottish Waterのサイトからダウンロードした資料によると、インバネスの水道水の全硬度はなんと、29.7mg/L!まるで清められた神水ではないか!ネス湖ネッシーがカルシウムやマグネシウムを吸収してくれているのかと思ったが、夫によるとインバネスの水源はネス湖ではないそうだ。どこが水源であるにしろ、すごい軟水だ。

では、私が12年間暮らしたパリはどうか。欧州はほとんどの国が硬水だという。フランスも例外ではない。確かに電気ケトルの底やアイロンの蒸気が出る穴にライムスケールが溜まっているのが気になることもあったが、シャンプーの洗い上がりの質感で悩んだ記憶はない。パリ市役所の水質ページをチェックすると、「全硬度」にあたる項目のDureté (TH : Titre Hydrotimétrique)はフランス固有の単位で表示されており、28.8 °fとされている。この°fは、華氏(ファーレンハイト)のシンボルではなく、degré françaisというフランス独自の単位の記号である。一般的な全硬度の単位への換算法がわからないので、カルシムとマグネシウムの1Lあたりの含有量を見てみると、それぞれ90mg/Lと6mg/Lということだった。これでは東京都大田区大森本町の全硬度とあまり変わらないのでは?フランス独自の単位による硬度の定義の説明を見ると、28.8 °fというのは「どちらかというと硬水」のカテゴリーに入る。

 

続く

水の質②(注:他のメディアに限定公開していた記事に手を加えたもの)

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*写真No1:訪問実演のときに写真を撮らなかったので、水処理機器の総合メーカー(株)トーケミのホームページから拝借。右が水道水で左が軟水器を通した水。ただしこれは日本の水道水なので全硬度は我が家の水道水よりずっと低い。だから我が家での実演では、泡立ちの差はこの写真より著しかった。

*写真No2:我が家の温水器のパイプにこびりついているライムスケールの塊



訪問販売員の説明に納得したので、まずはこのメーカーの軟水器の実演のアポを取ることに合意した。こうして、1週間後に別の販売員が実演に来てくれることになった。

アポの当日、やって来たのはこのメーカーに勤めて16年という女性。ヘビースモーカーなのか、ものすごいダミ声の持ち主で、50代前半ぐらいに見えた(まだ50歳になっていないのなら失礼!)。スリムな長身に真っ赤なボディコンドレスを纏い、足元は10cmぐらいありそうなスティレットヒールの黒のパンプスという出で立ちだった。

ナイトクラブにでも行くかのよう装束と軟水器の実演というのはかなりミスマッチだと思ったが、実演は非常に興味深かった。最初に行われたのは、キッチンの蛇口から出した水と、蛇口の水を軟水器に通したもので、同じ石鹸を使って手を洗うという実験だった。硬水である蛇口の水ではいつものように表面の皮膚が突っ張る感じがしたが、軟水器を通した水ではヌメヌメ感があり、手を拭いたあとの肌はしっとりしていた。これは、硬水に多く含まれるカルシウムやマグネシウムが、皮膚が自然に生成する保護脂質を洗い流してしまうからだそうだ。硬水で髪を洗うとパサパサ、ゴワゴワになるのも同じ理由。

次は、硬水を入れた試験管と軟水の試験管に、同じ液体洗剤をまったく同量入れてよく振るというもの。すると、軟水の方が断然泡立ちがいい。そしてしばらく置くと、軟水は泡の下の水がほぼ透明なのに対して、硬水では泡がほとんど消えてなくなり、水は大量の石鹸カスで白く濁っていた。だからこちらでは、シャワーやバスルームは使用後必ず水ですすいでいても、頻繁にクレンザーで掃除しないと、ライムスケールだけでなく、(酸化して?)赤くなった石鹸カスがそこら中に出現する。放っておくとカビや雑菌の温床になって不衛生だ。

また、この泡立ちの違いは、私の食器洗い用洗剤の消費量を省みると、なるほど!とくる。我が家ではほとんどの食器を食器洗い機(欧米のモデルは日本のものよりずっと容量が大きくて便利)で洗っているが、それでもやはりデリケートな食器類や調理器具などは手洗いしている。そのとき私は、しっかりした泡立ちを求めて大量の洗剤をスポンジにつけがちだ。しかも一度の食器洗いにそれを数回繰り返している。だから我が家ではビッグサイズの食器洗い用洗剤をストックしており、そのターンオーバーは実に早い。

ダミ声の女性販売員の話では、軟水器を使えば洗剤やクレンザーの消費量がぐっと減り、またスキンケアやヘアケア製品に大金をかける必要性も低くなるうえ、洗濯機や食器洗い機、アイロン、コーヒーメーカーなどの水を使う家電の寿命がのびるため、中長期的に見ればかなりの節約なる。実に理にかなった主張だ。そのうえ、硬水を使っていたために蛇口やシャワーヘッド、水道管のつなぎ目などにこびりついてしまったライムスケールの塊も、軟水を使い続けているうちに自然に落ちていくそうだ。

彼女自身、このメーカーに入社して以来ずっとここの軟水器を使っているが、今でもその効果に心から満足しているという。困ったことや不満に思ったことはなかったか、つまり何らかのデメリットはあるかと夫が問いただすと、彼女は訪問販売員にありがちなポジティブ面だけを並び連ねた即答ではなく、しばらく真剣に考えてから、「そのような例は本当に思い浮かびませんね」と答えた。

実演を見て軟水器のメリットにすっかり納得した夫と私だったが、最大の懸念であるお値段の方は…… やはり、衝動買いできるような価格帯の製品ではない。だが、軟水を使うことで享受できる恩恵は、計り知れないとまではいわずとも、かなり大きいということは確かだ。ダミ声の女性販売員は、分割払いなどの支払いオプションがいくつかあることを説明してくれたが、まずは3ヵ月間の無料トライアルでその効果を実際に体験してみてから決めればいいといった。その期間中は、軟水器に入れるブロック状の塩も無料で提供してくれるらしい。イオン交換樹脂を利用したこの軟水器に必要なブロック状の塩(樹脂が捉えたマグネシウムやカルシウムを塩水がナトリウムイオンに交換することで軟水化するのだそうだ)は、このメーカーのストア以外にもガーデンセンターやDIYショップで買え、2本入りパックの相場はだいたい6ポンド(約850円)ぐらいだそうだ。

私は、里帰り中に堪能していた、まるであのケラスターゼを使っているかのような感動的な髪の洗い上がりを再び!という切望でモチベーションが全開になっていた。

続く

水の質①(注:他のメディアに限定公開していた記事に手を加えたもの)

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*写真はライムスケールがこびり付いた我が家の電気ケトル


実は、昨日2月22日水曜日から、硬水軟化装置(軟水器)の3ヵ月間無料トライアルをしている。昨日正午にこの軟水器メーカーの配管工がやって来て、約2時間かけて我が家の水道の元栓に軟水器を取り付けてくれた。軟水器そのものは比較的シンプルな構造だが、それを設置するには水道管をあちこちいじらないといけない。その工事に2時間ちかくかかったのだ。だが、いったん設置すればあとはごく簡単。3~4週間に一度ぐらいのペースで、軟水器の中に入れるブロック状の塩を補給するだけ。電動ではなく、水流で稼働するタイプなので、電気代がかさむ心配もない。


アスコットの今の家(貸家)に移り住んだのは8年前のこと。それがなぜ、今になって初めて軟水器を使ってみる気になったのか。

 

事の始まりは今月のあたま。この軟水器メーカーの訪問販売員が我が家のドアベルを鳴らしたことだった。30代後半とおぼしきアジア系の物腰の柔らかい男性で、「押し売り」のイメージとは程遠い人物だった。ちなみに、英国でいう「アジア系」とは、日本人や中国、韓国人などのいわゆる東洋人ではなく、インド、パキスタンバングラデシュ系の人々のことを指す。


普段なら訪問販売はすぐに断っている(あくまでも礼儀正しく)が、この人物の印象が良かったことと(結構人情深い私)、硬水と軟水の違いに多少興味があったので、話を聞いてみることにした。

 

英国の水道水は大半が硬水であることは知っていたが(ちなみにスコットランドは軟水)、「紅茶は硬水で淹れた方が美味しい」だとか、硬水は浴室の鏡やガラス、シャワーヘッドや蛇口、キッチンの流し台や電気ケトルやアイロンに堆積する石灰鱗(ライムスケール)の原因だという程度の知識しかなかった。それがこの販売員の説明では、硬水は皮膚の乾燥や髪のパサつきの原因でもあり、その対策やライムスケールの除去のために多くの人が気が付かないうちにかなりの出費をしているという。しかも、我が家があるアスコット周辺は、水道水の硬度が特に高い地域だそうだ。

 

確かに、シャワールームや浴室、キッチン流し台の掃除には、ライムスケール除去用の少し高めのクレンザーを使っている。しかも、かなりゴシゴシとこすらなければきれいにならない。そして食器洗い機や洗濯機には、定期的に専用の塩を投入しなければ故障につながる恐れもある。電気ケトルも確かに底や注ぎ口にまでライムスケールがかなり溜まっているし、アイロンもスチームと一緒に灰色のライムスケールが溶け出して、アイロンがけしていた服を汚してしまうという事態が何度かあった。


硬水が皮膚や髪の乾燥の原因であることは、そういえばどこかで聞いたような気がする。数年前、ウィンザーのネイルサロンで初めてケアをしてもらったとき、ベトナム系のネイリストの女性に、「あなたのキューティクルはかなり乾燥してますね。イングランドの水はよくないから、キューティクルオイルを頻繁に使ったほうがいいですよ」と言われたことがあった。実際、手を洗うごとにハンドクリームをしっかり塗りこまないと、手の表面がカサカサしたり突っ張ったりする。

 

髪に関しても、イギリスに移住してからというもの、結構なお値段のコンディショナーを使ってもシャンプー後の洗い上がりの質感が満足のいくものではないのは事実。髪を洗った後は(もちろんコンディショナーも毎回使っている)、ヘアセラムやモロッコで買ったアルガンオイルをしっかり塗らないとヘアブラシがすっと通らない。そしてドライヤーで乾かしたあとの髪は、ゴワついたり縮れたりして、なかなかきれいにまとまらない。だからシャンプーしてキレイな髪になったはずの日も、髪をねじり上げて後頭部にバレッタで留めるというパターンが多かった。

 

ヘアサロンで買えるロレアル系の高級ヘアケア商品ブランド「ケラスターゼ」のシャンプーとコンディショナーをしばらく使っていた時期があったが、これはさすがにヘアケアのホームエステというコンセプトを売り物にしているブランドだけあって、素晴らしい艶とコシの感動的な仕上がりだった。ただやはりかなりのお値段の代物なので、ネット販売などの割安ルートで入手していたが、結局1年半ぐらいで断念した。以来さまざまな商品を試したが、「ケラスターゼ」に肩を並べるものはなかった。


しかし、この販売員の説明を玄関先で聞くまで、この髪の悩みを水道水の質と結び付けたことはなかった。歳をとったせいで髪に栄養分が行き渡りにくくなったためだとか、出産で体質が変わってしまったから(とはいっても、出産前から抱えていた悩み)だとか思い込んでいた。

 

だがよく考えてみれば、1月に日本に里帰りしていた期間は、シャンプー後の髪の質感はあのケラスターゼの仕上がりに近いものだった。使っていたシャンプーとコンディショナーの質が良いからかと思っていたが、実家で使っていたのはごくありきたりの商品だっただろうし、東京の民泊先に置いてあったのは某コンビニの自社ブランド製品だった。ああ、なるほど!日本の水道水は軟水だからだったのか!

 

続く

WhiskyとWhiskey (注:他のメディアに限定公開していた記事に手を加えたもの)

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ウイスキーの英語スペルには、WhiskyとWhiskeyの2種類がある。日本語にも「ウヰスキー」や「ウイスキー」などの書き方があるが、前者は旧字であり、現在ではブランド名/商品名に用いられているだけであって、酒税法国税省では「ウイスキー」の表記を使用している。では、英語のスペルの違いはどこから来たものなのだろうか。

 

ウイスキーの話題になるとどうしても触れたくなるのが、「スコッチウイスキー」の定義。まず、スコッチウィスキー(または単にスコッチ)と呼ばれるものは、スコットランド産のモルトウィスキーまたはグレーンウィスキーでなければならない。これは以前から知っていた。シングルモルトウィスキーのことをスコッチと呼ぶと思っている人もいるようだが、これは違う。ブレンドでもスコットランド産のウィスキーならスコッチ。シングルモルトでもスコットランドで製造されたものでなければ、スコッチとは呼べない。

しかも、スコッチと呼ばれることを許されるウィスキーは、2009年スコッチウィスキー規則 (The Scotch Whisky Regulations 2009) という法律が定める基準を満たしているものだけ。

その基準とは(面倒臭いのでウィキペディアの定義をコピペさせていただいた):

スコットランドで製造されたウィスキーであり、

(a)スコットランドの蒸留所にて、水および発芽させた大麦(これに他の穀物の全粒のみ加えることができる。)から蒸留されたものであって、
(i)当該蒸留所にて処理されマッシュとされ、
(ii)当該蒸留所にて内生酵素のみによって発酵可能な基質に転換され、かつ、
(iii)当該蒸留所にて酵母の添加のみにより発酵されたものであり、
(b)蒸留液がその製造において用いられた原料およびその製造の方法に由来する香りおよび味を有するよう、94.8パーセント未満の分量のアルコール強度に蒸留されており、
(c)700リットル以下の容量のオーク樽においてのみ熟成されており、
(d)スコットランドにおいてのみ熟成されており、
(e)3年以上の期間において熟成されており、
(f)物品税倉庫又は許可された場所においてのみ熟成されており、
(g)その製造および熟成において用いられた原料ならびにその製造および熟成の方法に由来する色、香りおよび味を保持しており、
(h)一切の物質が添加されておらず、または
(i)水
(ii)無味カラメル着色料、もしくは
(iii)水および無味カラメル着色料
を除く一切の物質が添加されておらず、かつ、
(i)最低でも40%の分量のアルコール強度を有するもの

なのだ。

そして本題の WhiskyとWhiskeyのスペルの違いの由来はというと、基本的にアイルランド産と米国産のウィスキーはWhiskeyという具合にKとYの間にEが入り、スコットランドやカナダ、日本を含めた世界の他の地域で製造されたものはWhiskyと綴られるらしい。その背景にあったストーリーとは差別化である。

1870年代にスコットランドで製造されていたウィスキーは、Coffey Still(カフェ式連続式蒸留機)で蒸留された非常に質の低いものであったそうだ。そこで、アイルランドが米国輸出向けのウィスキーをこの質の劣るスコットランド産のものと差別化する為にKとYの間にEを入れたWhiskeyという綴りを使うようになったのがきっかけで、アイルランド産ウィスキーの方が広く普及していた米国では、現在でもこの綴りを好むということらしい(参考: Whisky or Whiskey - Master of Malt)。これは知らなかった。

それでも、George Dickel(テネシーウィスキーのメーカー)やMaker's Mark(ケンタッキー・ストレート・バーボン)などのスコットランドにルーツを持つ米国の蒸留所は、Whiskyというスペリングを使っているとのこと。マニアックな私は早速この2つの蒸留所のホームページでファクトチェックをしてみたが、確かにそうなっている。

うーむ。面白い。奥が深い。ただの酒好きでそのような点に今まで注意を払っていなかったので、大変勉強になった。🥃 Slàinte!(スコットランドゲール語で「乾杯!」にあたる表現。「スランチェ」と発音)


ちなみに余談ではあるが、ニッカのホームページによると、現在ではスコットランドでもほぼ見かけられなくなったこのカフェ式連続式蒸留機は、高品質グレーンウィスキーを生み出すそうで、ニッカの宮城峡蒸留所では今でも使っているとのこと。
竹鶴さんと、朝日麦酒の社長だった山本為三郎さんの本物の酒づくりにかけた情熱が果たした日本上陸だったそうだ。

 

偉人たちのレガシーに乾杯。