けりかの草子

ヨーロッパ在住歴24年、現在英国在住のバツイチ中年女がしたためる、語学、社会問題、子育て、自己発見、飲み食いレポートなど、よろずテーマの書きなぐり。

娘の4歳の誕生日〜パーティー編⑬ ー 注:これは今年6月に他のメディアに投稿した記事のリサイクル版

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この写真の中央にいる男の子2人は嬉しそうに羽根飾りをつけている

 

子供たちへの食べ物とドリンクの給仕をひと通り終えたとき、土壇場の思い付きで用意したティアラと「ネイティブアメリカン」の羽根飾りのことを思い出した。『アナ雪』テーマのパーティールームでエルサとオーロラ姫が給仕サービスをし、参加者数を上回る数のエルサとアナの子供用コスチュームさえ完備されていた、あのお友達(Sちゃん)のハイグレードなパーティーの足元にだけでも及びたい!という一心で揃えた重要な小道具だ。予算オーバーしてまで手配したものを使わずにパーティーを終えるわけにはいかない。


だが、サプライズ参加者が3名もいるため、この場にいる子供たち全員に配ろうとすると、ティアラが2つ、羽根飾りが1つ不足している。娘の仲良し3人組のひとりの子(Fちゃん)のお姉ちゃんは、先述のように娘たちより5歳ぐらいは年上で、サプライズ参加であったため遠慮してか、それともチビたちに交じるのはプライドが許さないためか、私と夫が何度誘ってもパーティーテーブルに子供たちと一緒に座るのを断り、お父さんと一緒に窓際の長椅子におとなしく腰かけていた。彼女にはティアラは必要ないであろう。だが、親が招待状への返事を怠ったためにサプライズゲストとなってしまったMちゃんは、娘のお友達だしプリンセス好きっぽいのであげないわけにはいかない。そこで私は独自の裁量で、10日前に(親が)招待状への返事をしたお友達(Aちゃん)の妹はサプライズゲストではないがスルーすることにした。


羽根飾りの方も同様に、3人目のサプライズゲスト(ハイグレードなお誕生日会を催したSちゃんの弟)をスルーすることを決めた。こうして私は女の子にはティアラ、男の子には羽根飾りを配り始めた。出だしはなかなかウケが良かったのだが、予想外のハプニングが2件発生した。男の子のゲストの1人であったKくんが、ティアラがいいと言って羽根飾りを受け入れてくれない。これではまたティアラが1つ不足する。何とか説得しようと試みたが、Kくんはティアラを離そうとしない。どうしたものかと気をもんでいると、第2のハプニングが発生した。だがその実、この第2のハプニングに助けられることになった。


第2のハプニングとは、ティアラをつけていた女の子のうち2人ぐらいが、ティアラが小さすぎて頭を締め付けるので痛いと言って返しに来た。これには少し落胆したが、おかげでスペアができ、Aちゃんの妹にもあげることができた。さらに、最初はブルーの羽根飾りのついたティアラを選んでつけていた娘までもが、これは痛いからヤダと、自分で持ってきていた大きめの王冠につけ替えた。結局、ティアラをつけてくれたのは2~3人の女の子だけ。一方、男の子の方はというと、こちらは思ったより好評だった(ティアラを気に入ったKくんは例外)。


給仕された食べ物でも、Sちゃんのハイグレードパーティーにはかなわなかった。Sちゃんのパーティーでは、フライドポテトとフライドチキン、ソーセージの後に続いて、ピザトースト、ハムサンドイッチとチーズサンドイッチが給仕され、その後さらにカップケーキとビスケットも出てきた。パーティープランの値段の差はほんの1ポンド程度なのに、設備、サービス、食べ物という実質上の中身の差は10ポンドぐらいあるように感じた。「競争してるわけではない。うちはうち、よそはよそ!」と自分に何度言い聞かせても、この理不尽さへの苛立ちと劣等感を完全に克服することができなかった私はやはり、プライドの高い見栄っ張りなのだろうか。


続く