けりかの草子

ヨーロッパ在住歴24年、現在英国在住のバツイチ中年女がしたためる、語学、社会問題、子育て、自己発見、飲み食いレポートなど、よろずテーマの書きなぐり。

娘の4歳の誕生日〜パーティー編⑪ ー 注:これは今年6月に他のメディアに投稿した記事のリサイクル版

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写真はガーデンエリアの遊具

 

 

娘は時に異様に大人びたことを大人びた態度で言う(英語のみだが)ので驚かされる。この日も、お誕生日パーティーに来てくれたお友達に、「Thank you so much for coming to my party! Please make yourself at home and have fun!」と非常に落ち着いた口調で言っては、お友達をギュッとハグしたり両手を包み込んだりして、こなれたホステスぶり(ここでは「女主人」のことを指し、キャバクラなどのホステスのことではない)を見せた。


子供たちが保護者の存在を意識せずに遊んでいるのを観察していると、こんなに幼い子供たちの間にもそれなりの勢力関係があるのが見えてくる。このパーティーでは、娘がなかなかの人気者である様子を目にすることができた。しかし子供というのは、最初は仲良しこよしに遊んでいても、ちょっとしたことでケンカになったり、おもちゃなどの取り合いで泣き出すといったインシデントを避けて通れない。ここでも、75分間の「お遊びタイム」に数回泣き声があがった。


保護者たちと世間話をしている間も、私は主催者として皆が楽しいひと時を過ごせているかさりげなくチェックしていた。子供の泣き声が聞こえる度にその主を見つけ出し(娘の泣き声はすぐに識別できる。さすが母親👏🏻)、なだめながら原因の究明と解決策の策定を同時進行させる。娘が泣かしの主犯でないことを確認するのが最優先事項だが、我が娘はめったに意地悪はしないし、無用な対立は避けるタイプだ(と私は信じている)。


男の子ゲストの1人が2度ほど泣き出したが、これは他の男の子ゲストと走り回っていてもつれ合いになり、頭や腕を打ってしまったからのようだった。なだめても泣き止まない場合は、当然のごとく保護者を呼びに行く。世間話->なだめ&保護者に報告->世間話のッルーティンを何度か繰り返しているうちに、あの、招待状に返事をよこさずに出席した女の子(Mちゃん)がジャングルジムフレームの中で独りシクシク泣いているのに気がついた。


この子は入場してすぐに娘たちと遊んでいたはず。もしかして娘が意地悪したのかと心配になり、急いでフレームをよじ登って何が起こったのか問いただした。だが、Mちゃんはシクシクするだけで、何が原因なのか明らかにしてくれない。娘が何か意地悪したのかと問うと、これには首を横に振った。


娘が無実であることを確認してホッとしたが、いくらなだめてもMちゃんは泣き止まないし、フレームからも降りようとしない。そこで私はお父さんを探しに行った。お父さんは控え室で夫や他のお父さんたちと男子会で盛り上がっていたが、Mちゃんが泣いていることを伝えると、心配する必要はないと言うだけで、いっこうに腰を上げる気配を見せなかった。


泣いている子をほっておくわけにはいかないので、私はプレイエリアに戻り、ジャングルジムによじ登った。Mちゃんを再びなだめていると、下からお父さんが「心配しないでください。この子は私が一緒に巨大滑り台を滑らないから拗ねて泣いているだけです」と言ってきた。Mちゃんはお父さんの顔を見ると、ジャングルジムを降りて再度お父さんにおねだりした。またお父さんに拒否されて大泣きになったとき、娘や他の子供たち数名が、「外にも遊具があるので皆で外に行こう!Come on!」とMちゃんにも声をかけた。Mちゃんは気を取り直して靴を履くと、娘たちと外へ飛び出して行った。


こうして子供たちの活動範囲はガーデンエリアにも広がり、保護者たちはホットドリンクを手に外のテーブルへと移動し始めた。

 

続く