けりかの草子

ヨーロッパ在住歴24年、現在英国在住のバツイチ中年女がしたためる、語学、社会問題、子育て、自己発見、飲み食いレポートなど、よろずテーマの書きなぐり。

娘の4歳の誕生日~ケーキ編③(これは、今年の5月に他のメディアに限定公開していた投稿に手を加えた記事)

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幸いなことに、ノーメイクでむさ苦しい姿をご近所さんや知り合いに見られることなくミッションを遂行し、帰宅することができた。オシャレなトレーニングウェア姿(雑誌『ヴェリイ』用語では「アスレジャー」と言うらしいが)であれば、スポーツジムに通っているかのようで格好がつくが、自宅内でエクササイズをするつもりでいたので、上下のカラーコーディネーションとデザインともにちぐはぐだったから、ただのダサいオバハンにしか見えなかったと思う。パリ時代の私はこんな姿で外出することなど一切なかったはす。。。

 

とにかく卵を入手したので、再び生地作りの作業にとりかかることにした。買ってきた卵ケースは保冷棚ではない普通の陳列棚にあったものなので、すでに室温になっている。「人肌程度」が理想的ということなので、ぬるま湯をはった洗面器(?)の中で泡立て始めた。するとさっきとは打って変わり、面白いほど素早くふわっと泡立つではないか!そして出来上がった補足分の生地を流し込もうとケーキ型に向かった。最初に入れた生地がボテッと重そうな形相でケーキ型の底に薄い層を作っている。よく見ると、出来たての補足分生地より色がかなり濃い。焼き上がったらどうせ半分にスライスするのだから、上と下で色の違う層になっていてもかまわないかと思ったが、やはりさっくりと混ぜ合わせることにした。

 

これで生地は出来上がり。後は180度に温めたオーブンに入れて40分焼くだけ。最初の計画では、この間にエクササイズをするつもりであった。しかし、ハプニングの連発でキッチンはひっくり返っている。まずこれを片づけて、ワークスペースを清潔にしなければならない。もう必要のない材料は元の場所に戻し、卵の殻やケースの空箱を捨てる。泡立て器やゴムベラ、ボウルを丁寧に洗って、ワークスペースの表面を台拭きで拭く。先ほどあまりにも必死に卵液を泡立てようとしていたため、床にまで飛び散ってしまっていた。フロア用雑巾でそれを拭き取り、手を洗ってからホイップクリームの材料と道具を並べる。オーブンからスポンジケーキの美味しそうな匂いが漂ってきた。窓からちょっと様子を見ると、なかなかいい感じに焼き上がってきているようだった。

 

エクササイズをするには中途半端な時間になってしまったので、別のタスクに取りかかることにした。こうして40分が経過し、オーブンのタイマーが鳴る。焼き上がったスポンジケーキをオーブンから取り出し、ワークスペースで冷ました。香りはとても良い。成功か?スポンジケーキを冷ましている間にホイップクリームを作った。こちらは何の問題もなく、きれいにできた。そして、冷めたケーキ型を逆さまにし、ケーキ台の上にスポンジケーキを押し出した。最初の生地と補足分をまんべんなく混ぜたつもりだったが、上半分が微妙に硬くて重い。。。これを半分にスライスし、下側の表面にホイップクリームを塗る。パレットナイフがないので、シリコンのヘラを使って塗ろうとしたが、クリームがヘラにへばりついてなかなかきれいに塗れない。食事用のナイフとシリコンベラの両方を駆使し、表面を可能な限り滑らかにする。今度はその上に、半分に切ったイチゴを並べていく。さすがに直径23cmのケーキには大量のイチゴが必要だった。今度は上側のスポンジケーキの裏面にホイップクリームを塗り、それをイチゴを並べた下側のスポンジの上にそっと置く。このサンドイッチの側面にホイップクリームを塗る作業にさらに手間取った。本の写真ほどきれいに塗れていないが何とか恰好はついたので、ケーキ表面のメインデコレーションにとりかかった。

 

これもケーキ作りに慣れている人ならお茶の子さいさいなのだろう。私がトロくて時間がかかりすぎたせいか、ホイップクリームが若干柔らかくなり、イメージしていた美しい波形のデコレーションができなかった。カラフルなデコレーション用砂糖菓子をちりばめ、ホイップクリームデコレーションの不細工さをカバーする。

 

こうして出来上がったのが写真のケーキ。頭の中で思い描いていたものとはかなり違う。乙女時代はもっと上手に、手際よく、美しく美味しいケーキを作っていたと思うが。。。

 

続く