けりかの草子

ヨーロッパ在住歴24年、現在英国在住のバツイチ中年女がしたためる、語学、社会問題、子育て、自己発見、飲み食いレポートなど、よろずテーマの書きなぐり。

娘の4歳の誕生日~ケーキ編②(これは、今年の5月に他のメディアに限定公開していた投稿に手を加えた記事)

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お菓子作りに慣れている人ならきっと、こういう時に何をすべきか心得ているに違いない。乙女時代の私は結構頻繁にケーキやクッキーを焼いており、腕もなかなかだったと記憶している。自分に都合のいいように記憶を「書き換え」ているだけなのかもしれないが。だが、留学中はお菓子を作っている暇などなかったし、道具も持っていなかった。フランスで社会人になってからは道具をある程度揃えていたが、お菓子を手作りしたことはめったになかった。今の夫と結婚してからケーキやクッキーを焼いたことは何度があったが、一度だけ自分でも信じられないほど美しい出来栄えのラズベリーパブロバを作ることに成功して以来(4年ぐらい前の話)、満足のいく結果を出せていない。それをオーブンとの相性のせいにしている私だが、果たして真相はどうなのだろうか。

 

とにかく、生地を足さなければ、あまりにも薄っぺらく、みすぼらしいスポンジケーキになってしまう。これでは娘が笑いものだ。ダメ母のせいで惨めな思いをさせたくない!そこで、再び同じ分量の材料を用意し、卵を電動泡立て器で泡立てに着手した。 ところが、いくらやってもふわっと泡立たない。湯銭しながらやっても、泡立て器の強度を最大にしてやっても、砂糖入り卵液の状態のまま。な…何ゆえに!こういう時、私はググる。インターネットの時代でよかった。もし、インターネットがなかったら、どうしていただろう。国際電話で母や姉に相談する訳にはいかない。そんなお金はない。では、プライドを捨てて、ご近所の奥様達に聞いてみるか。いや、やはりプライドは捨てられない。本当にインターネットがあって助かる。仕事でも、インターネットがなければ途方に暮れているだろう。

 

ググった結果、卵が泡立たない理由として考えられるのは、1)湯銭のお湯など、水分がボウルに入ってしまった、2)油分も泡立ちを妨げる、3)卵は1時間ぐらい前に冷蔵庫から出して常温にしておくべき、などのようだ(Yahoo知恵袋)。1)は絶対に違うと確信してる。では2)は?そういえば、慌てて補足分の生地を作ろうと、最初の生地が入っていたボウルを洗わずにそのままそこに新しい卵を割って入れた。つまり、最初の生地にはバターも入っていたわけで、この油分が泡立ちを妨げているのだろうか。しかも、急いでいたので、補足分の生地に使う卵は冷蔵庫から出してすぐに割って入れた。ということは、2)と3)のダブルパンチ。。。

 

これではいくら泡立てても無駄だと見限り、この卵液を捨てて再びゼロからやり直すことにした。今度はボウルも泡立て器もちゃんと洗って食器ふきんで丁寧に拭いて乾かす。卵は。。。と冷蔵庫を開けてみると、卵ケースがない!キッチンカウンターを見渡すと、6個入りケースが1箱あったが中身は空!えっ、そんな!確か昨日1ダース分(6個入り2ケース)買ったはず。。。な、なんでやねん!!(久々の大阪弁

 

最初の生地に3個使い、さっきの卵液に3個。これで1ケース消化。だが、もう1ケース残っているはず。しかし、よーくよく考えてみると、実は昨日、ゆで卵に2個使ってしまっていた。しかも今朝、スクランブルエッグに4個も使ってしまったのだ!なんたる致命的なミス!何を考えていたのだろうか。普段は朝食にスクランブルエッグなど作って食べたりしないのに、何ゆえ、何の虫に刺されて、この一大イベントの朝に貴重な卵を4個も使ってスクランブルエッグなど作ってしまったのか!たわけ者が!

 

嘆いていても仕方がない。時間が過ぎていくだけだ。そこで私はすっぴん顔+トレーニングウェア姿のまま(さすがにエプロンは外した)で愛車(マツダ2:和名カペラ)に飛び乗り、ハイストリートのコンビニ風テスコに向かった。ラッキーなことにストアのすぐ前の駐車スペースが空いていたので、素早く縦列駐車。自慢ではないが、私は縦列駐車が得意だ。一般的に女性は縦列駐車が苦手だと言われている。フランスでも、ここ英国でも、女性の縦列駐車は下手をすれば女性蔑視として訴えられかねないジョークの対象になっている。後続車からプレッシャーがかかっている時でも焦らず、なかなかの腕前を見せる私は、男性ホルモンのテストステロン値が高いのだろうか。

 

こうしてテスコで無事に卵6個入りケースを2ケース購入することができ、急いで家に帰った。

 

続く