けりかの草子

ヨーロッパ在住歴24年、現在英国在住のバツイチ中年女がしたためる、語学、社会問題、子育て、自己発見、飲み食いレポートなど、よろずテーマの書きなぐり。

娘の4歳の誕生日〜パーティー編③ ー 注:これは今年6月に他のメディアに投稿した記事のリサイクル版

f:id:Kelly-Kano:20171013222558j:plain

招待状

 

会場はおさえたので一安心。次は、どの子を招待するかの人選が重要なステップとなる。娘が特に仲良しにしている女の子3人は、躊躇することなくゲストリストに載せる。この子たち以外にどの子を招待すればいいのか。定員は15人(娘を含めて)と自分たちで決めている。あと11人をどう選ぶか。娘が赤ん坊のころからよく遊んでいるボーイフレンドのW君とその弟のO君は、あいにくその週末は都合が悪くて参加できないとのことだった。親しくお付き合いさせていただいているロンドンのある日本人一家には6歳の女の子と3歳の男の子がいて、娘と一緒に遊んでもらうことがよくある。この子たちももちろん招待しよう。するとあと9人。そこで、保育園の先生たちに相談することにした。

 

娘の組の担当の先生に、娘がよく遊んでいる子たちをリストアップして欲しいと頼んだ。すると、「うーん、難しいですね。ほぼ全員、どの子とも仲良く遊んでいますよ」との返事が返ってきた。そこをなんとか、娘と過ごす時間が多い子に絞ってもらい、女の子5人と男の子3人を指名してもらった。さらに、夫の仕事を通して知り合った弁護士の友人の2歳10カ月の息子も招待することにした。

 

招待する子供たちの名前をマイクロソフト・エクセルで作成したゲストリストに入力する。子供の名前の隣のカラム(列)は親の名前、その隣は参加の可否。出来上がったリストには娘を含めて16人の子供の名前が並んでいる。リストが完成したあとは招待状の準備。リストを見ながら、会場が提供してくれた招待状にそれぞれの子供の名前とパーティーの日時、返信先を手書きで書き込む。

 

以前から不思議に思っていたのだが、英国では返事が必要な招待状には、RSVPという表記がある。たいていの場合、このRSVPの後に連絡先を表記するのだが、このRSVPというのは実は、フランス語のRépondez S’il Vous Plaît (ご返事お願いします)を略したものなのだ。100年戦争などにも見られるように、英国とフランスは歴史的に敵対関係にあることが多かった。そして英国人にはどこか、大陸ヨーロッパを見下しているようなところが見受けられる。国境検査なしで国境を越えることを許可するシェンゲン協定にも、通貨統合にも参加せず、片足がすでに外に出ていた欧州連合も、昨年の国民投票で完全に離脱するBrexitが決まった。そんな英国でなぜ、フランス語の略語を招待状に使っているのだろうか。夫にその理由を聞いてみたが知らないと言われた。そこでググってみたが、RSVPの意味を説明するサイトはあっても、その理由や起源について解説しているサイトは見つからなかった。

 

書きあがった招待状を封筒に入れ、「From Wee A💖」と印刷された可愛らしいスティッカー(数年前のクリスマスカード用に作ってあったもの)を貼る。封筒の表にはもちろん宛先人の名前を書いてある。この封筒の束を保育園の先生に託し、招待している子供たちの保護者に手渡してもらうようにお願いした。学校とは違って保育園では、子供たちを送り迎えする時間が家庭によって違う。そのため、私も夫も、子供たちは結構よく知っていても、彼らの保護者と顔を合わせることがあまりない。私は娘が特に仲良くしている女の子2人のお母さんたちとは何度が立ち話をしたことがあるが、他の子たちの保護者はほとんど知らなかった。

 

招待の返信先として、夫婦共同のメールアドレスと私の携帯番号を記載しておいた。招待状を保育園に預けてから1週間以内に4人から返事が来た。みんな参加できるとのことだった。日本人ファミリーからはこれ以前に参加の返事をもらっている。パーティーの2週間前の時点で返事をしていない子(親の責任)は4人。返事の催促をすべきか迷ったが、「返事をしない=出席しない」と判断することにした。ところがパーティーの10日前になって、ゲストリストにX印をつけていた女の子のひとりのお父さんからテキストメッセージが届いた。イースター休暇でしばらく国外にいたため、今日初めて娘の招待状を見たのだという。丁寧なお詫び文で始まるメッセージには、もしまだ間に合うならその子も是非娘のパーティーに参加したいと書かれていた。さらに、もし可能であればその子の妹も連れて来ていいかと尋ねてきた。妹の入場料と食事代は自分たちで出すからと。もちろん私は、妹さんも含めて歓迎します、追加の入場料と食事代を出す必要はありませんと返事した。

 

このやりとりの後、その子の妹の名前を追加してゲストリストをアップデートした。その時点で参加者数は娘を含めて13人だった。私は別に13という数字に何の抵抗もないので、この人数で会場にコンファームすることにした。

 

続く