けりかの草子

ヨーロッパ在住歴24年、現在英国在住のバツイチ中年女がしたためる、語学、社会問題、子育て、自己発見、飲み食いレポートなど、よろずテーマの書きなぐり。

英国幼児お遊びグループ体験記〜教会編 ①(注:これは2016年2月に他のメディアに限定公開していた記事に手を加えたもの)

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これは、先日娘に体験させた幼児お遊びグループの1コマの写真。我が家から車で15分ぐらいの場所にある教会(アングリカン、つまり英国国教会)で、毎週火曜日の朝10時から2時間程度、1歳〜5歳児を主な対象として開かれている集まりだ。

娘は週3回の頻度で保育園に通っているが、保育園に行かない日はいろいろ「エンタテインメント」を考えなければならない。天気が良ければ近所の遊び場で遊ばせたり、我が家の庭でガーデニングごっこやゴルフもどきをする。雨や風の日は、家の中でお絵描きをしたり、レゴでお城を作ったり、子供映画のDVDやテレビの幼児用番組を見せたり。こちらで「ソフトプレイ」(日本ではアダルト映画関連ぽく聞こえるかもしれないが)と呼ばれる屋内の遊び場(有料)に連れて行くこともある。

今回はママ友達のひとりに誘われて、この幼児お遊びグループに参加してみることにした。彼女とは出産前の育児セミナーで知り合った。家が結構近いので、お互いの出産以降も定期的に会っている。彼女のところには、娘の2ヵ月後に生まれた男の子と、その1年半後に生まれた2人目の、これまた男の子がいる。上の子と娘は生まれたての頃からの付き合いで仲良しだ。娘のボーイフレンド的存在だが、ここではW君と呼ぶ。下の子(ここではO君と呼ぶ)も、一丁前にお姉さんぶる娘に結構なついている。W君&O君兄弟のママは専業主婦で、子供を保育園に行かせていないため、他の子供たちとの交流の場を求めて複数のお遊びグループに参加している。この教会でのお遊びグループは、W君がかなり気に入っているらしい。

という訳で、先週の火曜日の朝、娘をこのお遊びグループに連れて行った。冷たい風が強く吹く朝だった。緑が多い地域にある教会で、周囲にはコテージスタイルの住宅が数軒ある程度。それ以外は緑の野原や農場という風景は、日本人が憧れる風光明媚な英国の田園地帯のイメージに近い。教会の近くに到着すると、駐車場にはぎっしりと車が並んでいた。よく見ると奥にさらに駐車スペースがあるようで、退職者とおぼしき初老の男性が数名、次々にやってくる車を誘導している。ボランティアであろう。なかなかしっかりした組織だなと感心しつつ、最初に見つけたスペースに駐車して娘をカーシートから降ろした。

ピューピューと吹き付ける冷たい風に背中を押され、「会場」に駆け込んだ。教会の建物自体は17世紀ぐらいに建てられた歴史あるものだが、昨年内部の改修工事が行われたそうで、入口にはモダンな感じがするガラスドアがある。中に入るとすでに大盛況。子供たちは30人ぐらいはいるように見えた。参加登録の手続きを済ませ、参加料の2ポンドを払った。大人はコーヒーか紅茶とビスケットのサービス(無料)を随時利用でき、子供たちには「お話タイム」に飲み物とビスケットが配られるという。

会場内は4つぐらいのお遊びコーナーに分けられており、それぞれのコーナーを取り囲むように保護者用の椅子が並べられている。玩具や本、楽器など、非常に充実した遊び道具が用意されていて 、プリンセスやスーパーヒーローごっこができるコスプレコーナーもある。そして保護者のためのドリンクコーナーにも、それぞれのお遊びコーナーにも、数名のボランティアがスタンバイしている。実に行き届いたサービスだ。

娘の保育園は少人数制なので、娘は大人数のグループには慣れていない。会場の中に入ったときから不安そうに私のそばを離れず、キョロキョロしていたが、W君を見つけると顔がパッと明るくなった。W君も嬉しそうに近寄ってきて娘をギュッとハグしたが、すぐにお遊びコーナーに飛んで帰ってしまった。子供たちの多くは自分の遊びに専念していて、「皆で一緒に遊ぶ」という雰囲気ではなかったが、まあこれくらいの年齢の子供たちというのはそんなものだろう。

大半が常連のようで、保護者(大多数がママだが、パパらしき男性も数名いた)の多くはコーヒーや紅茶を飲みながら世間話をしている。私も久しぶりに会ったW君&O君兄弟のママと話をしたかったのだが、娘に一緒に遊べと手を引っ張られ、機関車トーマスの木製レールセットが設置されている机の方へ連れて行かれた。

ここのところ機関車トーマスにハマっている娘は夢中になってこのレールセットで遊んでいたが、私が少しでも離れようとすると、すぐにしがみ付いて泣きそうになる。「W君と一緒に遊んだら?」と言ってみたが、肝心のW君は別のコーナーで独りボール遊びに没頭して走り回っていた。

続く